写真にモアレパターンが出てしまった経験のある写真家なら、Lightroomでモアレを除去する方法を知りたいと思ったことがあるでしょう。良いニュースは、Adobe Lightroom ClassicとLightroom CCの両方に、補正ブラシに組み込まれた専用のモアレ除去ツールが含まれていることです。しかし、このガイドで説明するように、Lightroomのモアレ除去には重大な制限があります。特にスクリーン撮影やスキャン文書を扱う場合は顕著です。
この包括的なチュートリアルでは、Lightroomのモアレスライダーの正確な使用方法を解説し、より良い結果を得るためのプロのヒントを共有し、最も頑固なモアレパターンでも処理できる高速なAI代替ツールを紹介します。
写真におけるモアレとは?
除去プロセスに入る前に、私たちが扱っているものを簡単に理解しましょう。モアレパターンは、波状の線、虹色の帯、または写真に現れる繰り返しグリッドパターンとして表示される干渉アーチファクトです。これらは、被写体の細かいパターン(生地の織り、スクリーンピクセル、印刷されたハーフトーンドットなど)がカメラセンサーのピクセルグリッドと相互作用するときに発生します。
モアレが現れる一般的なシナリオ:
- スクリーン撮影: コンピューターモニター、テレビ、スマートフォンのスクリーンの写真を撮る
- 生地撮影: 細かいテクスチャの衣類を使用したファッションや製品写真
- スキャンされた文書: ハーフトーンパターンを含む雑誌、新聞、または印刷された写真をスキャンする
モアレが発生する理由についての詳しい説明は、モアレパターンを理解するのガイドをご覧ください。
Lightroomのモアレ除去ツール: 補正ブラシ

露出やホワイトバランスのようなグローバル調整とは異なり、Lightroomのモアレ除去はローカル調整ツールです。つまり、補正ブラシを使用して、モアレの影響を受けた領域を手動でペイントします。完全なプロセスを詳しく見てみましょう。
ステップ1: 現像モジュールで画像を開く
まず、画像をLightroomにインポートし、現像モジュールに切り替えます。これは次の方法で行えます:
- 右上の「現像」タブをクリック
- キーボードショートカットDを使用
モアレの影響を受けた領域でパターンを明確に確認できるように、画像を100%ズーム(スペースバーを押してモアレのある領域をクリック)で表示していることを確認してください。
ステップ2: 補正ブラシツールを選択
ヒストグラムの下のツールバーで補正ブラシを見つけます。次の方法でアクティブにできます:
- ツールバーのブラシアイコンをクリック
- キーボードショートカットKを使用
選択すると、右側に補正ブラシ設定パネルが表示されます。
ステップ3: モアレスライダーを見つける
補正ブラシ設定パネルを下にスクロールして、モアレスライダーを見つけます。通常、「エフェクト」セクションにあり、かすみの除去スライダーと色収差スライダーの間に配置されています。このスライダーの範囲は-100から+100ですが、モアレ除去にはほぼ常に正の値を使用します。
ステップ4: モアレ除去量を設定
モアレの値50から始めます。これはほとんどの状況に適した基準値です。後で常に調整できます:
- 25-50: 軽度のモアレパターン用(微妙な生地の干渉)
- 50-75: 中程度のモアレ用(目に見えるスクリーンパターン)
- 75-100: 重度のモアレ用(強い虹色の干渉)
プロのヒント: すぐにスライダーを最大にしないでください。高い値は時々、色を過度に脱色したり、不自然なぼかしを作成したりすることがあります。
ステップ5: 最適な結果のためにブラシ設定を調整
ペイントを開始する前に、これらのブラシパラメータを設定します:
- サイズ: モアレ領域を快適にカバーするのに十分な大きさのブラシを使用(キーボードショートカット: **[で縮小、]**で拡大)
- ぼかし: スムーズな移行のために50-70に設定
- 流量: 段階的な適用のために50-80に保つ
- 自動マスク: モアレ領域に明確なエッジがある場合(単一の衣服など)、これを有効にします
ステップ6: 影響を受けた領域をペイント
ここから手動作業になります。モアレパターンを示す領域をクリックしてドラッグします。次のものが表示されます:
- ペイントしている場所を示す赤いオーバーレイ(Oキーで切り替え)
- 調整ポイントを示すピンマーカー
重要なペイントテクニック:
- 一度にすべてをカバーしようとするのではなく、セクションごとに作業します
- 均一なカバレッジのために複数の重複ストロークを使用します
- 誤ってモアレ以外の領域をカバーした場合は、Alt/Optionを押しながらペイントして消去します
ステップ7: 結果を微調整
初期調整を適用した後:
- ピンマーカーをクリックして調整を再アクティブにします
- 結果に基づいてモアレスライダーを上下に調整します
- \(バックスラッシュ)を押すか、画像の下のスイッチアイコンをクリックして、ビフォー/アフターを確認します
- 異なる領域に異なる量が必要な場合は、追加のブラシ調整を作成します
ステップ8: 補完的な調整を検討
モアレスライダーを他の調整と組み合わせることで、より良い結果が得られることがあります:
- ノイズ軽減: わずかに増加(10-20)して、残留パターンを滑らかにします
- シャープネス: モアレ除去後に領域が過度に鮮明に見える場合は、10-15減らします
- 彩度: 処理した領域で色が不自然に鮮やかに見える場合は、-5から-15調整します
より良いLightroomモアレ除去のための高度なヒント
ヒント1: 100%ズームで作業
常に実際のピクセルサイズ(100%ビュー以上)でモアレを評価します。画面に合わせたズームでモアレに見えるものが、実際には通常のテクスチャだけである可能性があり、重要なディテールを不必要にソフト化してしまう可能性があります。
ヒント2: 複数の補正ブラシを使用
1つのブラシ設定ですべてを修正しようとしないでください。次のような別々の調整を作成します:
- モアレの重症度が異なる領域
- 異なるカラーチャンネル(一部のモアレは赤または青のみに影響)
- 異なる生地またはスクリーンセクション
ヒント3: ターゲットを絞った色調整と組み合わせる
モアレが特定の色帯として現れる場合(スクリーン撮影で一般的)、次を試してください:
- 同じブラシでカラー調整を使用して、問題のある色相を脱飽和します
- モアレ削減を適用した後、HSLパネルで特定の色範囲をターゲットにします
ヒント4: 控えめに始め、徐々に増やす
モアレ削減を追加する方が、過度の適用を元に戻すよりも簡単です。100から始めるのではなく、低い値(30-40)から始めて徐々に増やします。
ヒント5: 異なるエクスポートサイズで確認
最終決定する前に、意図した出力サイズでテストバージョンをエクスポートします。100%ズームで表示されるモアレが、画像をWeb使用のために縮小すると知覚できなくなることがあります。
Lightroomのモアレ除去の制限
Lightroomの補正ブラシは、すでにLightroomワークフローにいる場合は便利ですが、いくつかの重大な欠点があります:
1. ローカルのみの調整
Lightroomはグローバルモアレスライダーを提供していません。画像全体が影響を受けている場合(スクリーン撮影で一般的)、すべてのセクションを手動でペイントする必要があり、これは面倒で時間がかかります。
2. スクリーン撮影でのパフォーマンスが低い
モアレスライダーは主にRAWファイルの生地撮影用に設計されました。モニターや携帯電話のスクリーンの写真、特に虹色の干渉パターンを含むものに関しては、Lightroomはしばしばクリーンな結果を生成するのに苦労します。アルゴリズムは単にこの特定のタイプのモアレ用にトレーニングされていませんでした。
3. 色脱飽和の副作用
重いモアレ削減(70以上の値)は、頻繁に望ましくない色脱飽和を引き起こします。処理された領域が、画像の残りの部分よりも洗い流されたり、鮮やかさが少なくなったりすることに気付くでしょう。
4. 細かいディテールの損失
Lightroomのモアレ除去は部分的に選択的なぼかしを通じて機能するため、処理された領域で必然的にシャープネスと細かいテクスチャの一部を失います。これは、テキスタイルのディテールを保持したい生地撮影で特に顕著です。
5. バッチ処理なし
各画像には個別の手動ペイントが必要です。同じ生地モアレの問題がある製品写真が50枚ある場合、プロセス全体を50回繰り返す必要があります。
6. RAWファイルで最も効果的
JPEGで補正ブラシを使用できますが、モアレスライダーは、Lightroomが完全なセンサーデータにアクセスできるRAWファイルで最も効果的です。JPEG圧縮はしばしば、モアレをクリーンに除去することをより困難にします。
より高速な代替手段: AIモアレ除去

より高速で効果的なモアレ除去を必要とする写真家、特にスクリーン撮影の場合、AI搭載ツールは優れたソリューションを提供します。その理由は次のとおりです:
自動検出と除去
AIツールは、何千ものモアレパターンの例で特別にトレーニングされています。これらは次のことができます:
- 手動ペイントなしで自動的にモアレを検出
- モアレパターンと正当なテクスチャを区別
- 分ではなく秒で画像全体を処理
スクリーン撮影での優れた結果
Lightroomのアルゴリズムとは異なり、AIモデルはスクリーン撮影モアレに特化してトレーニングされており、以下を含みます:
- LCD/OLEDスクリーンからの虹色干渉パターン
- クローズアップモニター写真からのピクセルグリッドアーチファクト
- ビデオスクリーンショットのカラーバンディングとモアレ
ディテールとシャープネスの保持
高度なAIアルゴリズムは、次のものを保持しながらモアレパターンを除去できるニューラルネットワークを使用します:
- 生地の細かいテクスチャディテール
- スクリーン写真のテキストのシャープネス
- 脱飽和副作用のない自然な色飽和
AIモアレ除去の使用方法
プロセスはLightroomよりも劇的に簡単です:
- 画像をアップロードしてAIモアレ除去ツールに
- 適切なモードを選択:
- スクリーンモアレ除去ツール モニター、テレビ、スマートフォンのスクリーンの写真用
- 生地モアレ修正 衣類やテキスタイル写真用
- デスクリーニングツール スキャンされた雑誌や印刷物用
- 5-10秒待つ、AIが処理している間
- ダウンロード、モアレのない結果を
手動ブラシ作業なし。パラメータの調整なし。ただアップロードしてダウンロードするだけです。
バッチ処理機能
多くのAIツールはバッチ処理をサポートしており、一度に10、50、または100枚の画像をアップロードして、それらすべてを自動的に処理できることを意味します。これは次のような場合に非常に貴重です:
- Eコマース製品写真
- ファッションルックブック撮影
- テレビ画面のある不動産写真
- スクリーンキャプチャを含むドキュメントプロジェクト
LightroomとAIツールをいつ使用するか
両方の方法には場所があります。それぞれが意味を持つときは次のとおりです:
次の場合はLightroomを選択:
- すでにRAWファイルでLightroomワークフローで作業している
- モアレが非常に軽度で、小さな領域に限定されている
- とにかくLightroomで他の調整を行う必要がある
- Lightroomサブスクリプションがあり、すべてを1つのツールに保ちたい
- モアレが生地ベースで、スクリーンベースではない
次の場合はAIツールを選択:
- スクリーン撮影モアレ(モニター、テレビ、電話)を扱っている
- モアレが広い領域または画像全体をカバーしている
- 同じモアレの問題がある複数の画像を処理する必要がある
- Lightroomのモアレスライダーが許容できる結果を生成していない
- 可能な限り最速のワークフローが必要(分対秒)
- スキャンされた文書や印刷物を扱っている
両方の方法を組み合わせる
最良の結果を得るには、ハイブリッドワークフローを検討してください:
- 最初にAIモアレ除去を使用してパターンの大部分を処理
- クリーンな画像をLightroomにインポートして最終的な色補正と露出調整
- 補正ブラシを使用するのは、特定のスポットに軽微な残留モアレが残っている場合のみ
このアプローチにより、AIの速度と効果を得ながら、慣れ親しんだLightroomカラーワークフローを維持できます。
撮影時のモアレ予防
最良のモアレ除去は予防です。これらの撮影テクニックを試してください:
スクリーン撮影の場合:
- 撮影角度を2-5度変更
- スクリーンまでの距離を調整(より近いまたはより遠い)
- スクリーンの明るさとリフレッシュレートを変更
- より広い絞りを使用(f/8-f/11の代わりにf/2.8-f/4)
生地撮影の場合:
- ディテールが重要でない場合は、レンズをわずかにデフォーカス
- 焦点距離を変更(より広いとより長いの両方を試す)
- カメラに対する生地の角度を調整
- 硬い指向性光の代わりに、柔らかく拡散した照明を使用
一般的なヒント:
- 最大の後処理の柔軟性のためにRAW形式で撮影
- 細かいディテールを強調する焦点距離と絞りを避ける
- シリーズ全体を撮影する前に、いくつかのフレームをテストし、100%ズームで確認
よくある質問
LightroomはJPEGからモアレを除去できますか?
はい、しかし補正ブラシのモアレスライダーはRAWファイルで最も効果的です。JPEGの場合、調整の余地が少なく、より多くのアーチファクトが表示される可能性があります。JPEGモアレ除去の場合、AIツールはRAWセンサーデータに依存しないため、しばしばより良い結果を生成します。
Lightroomにグローバルモアレスライダーはありますか?
いいえ。Lightroomは補正ブラシを通じてのみモアレ削減を提供しており、これはローカル調整ツールです。影響を受けた領域を手動でペイントする必要があります。ワンクリックで画像全体にモアレ削減を適用する方法はありません。
なぜLightroomは私のスクリーンモアレを除去しないのですか?
Lightroomのモアレスライダーは、スクリーン撮影ではなく、RAWファイルの生地モアレ用に主に設計されました。スクリーンモアレ(特にLCDスクリーンからの虹色干渉)には異なるアルゴリズムが必要です。代わりにAIスクリーンモアレ除去ツールを試してください。
最適なLightroomモアレスライダー設定は何ですか?
50から始めて、そこから調整します。ほとんどの状況では40-70が必要です。80以上の値は、しばしば過度の軟化と色脱飽和を引き起こします。1つの極端な適用よりも、複数のブラシアプリケーションで中程度の値を使用する方が良いです。
Lightroom Mobileにはモアレ除去がありますか?
Lightroom Mobileには選択的調整ツール(補正ブラシに似ている)が含まれていますが、2026年現在、モアレスライダーはモバイルバージョンでは利用できません。Lightroom Classic(デスクトップ)が必要か、モバイルでWebベースのAIツールを使用する必要があります。
Lightroomでモアレをバッチ処理できますか?
いいえ。モアレ除去には特定の領域で補正ブラシを使用して手動でペイントする必要があるため、これらの調整を複数の画像にバッチ適用する方法はありません。これはAIツールの最大の利点の1つです。
まとめ
Lightroomの補正ブラシとモアレスライダーは、すでにLightroom RAWワークフローで作業している写真家にとって、特に軽度の生地ベースのモアレに有用なツールです。ローカル調整アプローチにより、どの領域を処理するかを正確に制御できます。
ただし、スクリーン撮影、スキャンされた文書、重度のモアレパターン、またはバッチ処理を必要とする状況の場合、AI搭載モアレ除去ツールは劇的に高速で効果的な結果を提供します。これらは、Lightroomが苦労するタイプのモアレを処理するために特別にトレーニングされています。
最良の結果を得るには:
- すでにそのワークフローにいて、軽度のモアレを扱っている場合は、最初にLightroomを試してください
- スクリーン撮影、重度のパターン、またはLightroomが機能していない場合は、AIツールに切り替えます
- 両方のツールを使用したハイブリッドワークフローを検討してください
分ではなく秒でモアレを除去する準備はできていますか? AIモアレ除去ツールを試して、手動ブラシ作業なしで自動的でインテリジェントなモアレ除去を体験してください。
関連リソース
- モアレパターンを修正する完全ガイド - すべての方法を比較
- モアレパターンを理解する - モアレの原因を学ぶ
- スクリーンモアレ除去ツール - スクリーン撮影用AIツール
- 生地モアレ修正 - テキスタイル写真専用
- デスクリーニングツール - スキャンされた印刷物用

